最終更新日 2024年10月24日 by niefrancisf

住宅の省エネ、つまり快適な室内環境を作ったり維持するのに必要なエネルギーの節約は、熱損失をいかに減らすかがポイントとなります。
熱移動は主に開口部で起こりやすく、ある程度の面積があって比較的断熱性が下がる窓とその周りは特に、暖めた熱や冷やした空気の冷たさが逃げやすい場所です。
冬の暖房の窓からの熱損失は約60%で、夏になると70%以上が窓から熱が入ってきます。
その為、古い設計だと窓の断熱性も低く熱損失が大きくなりますし、他の部分の断熱性を高めても焼け石に水になりがちです。
一見すると面積の広い壁や天井、床の熱損失の方が大きいイメージですが、これらはせいぜい数%から10%台に留まるので、やはり窓の断熱を見直すのが省エネ実現の近道だとエスコシステムズさんも言ってます。

エスコシステムズ インターン

窓にはコストを掛けて断熱性を確保することが大切

新しい設計の住宅であれば、断熱性がしっかりと考えられているので、全体的に熱損失は抑えられるはずです。
とはいえ、窓に掛けるコストをケチると本来の性能が発揮できませんから、設計が新しいといっても窓にはコストを掛けて断熱性を確保することが大切です。
しかし、古い家に住み続ける場合は窓以外にも対策が必要ですし、壁や床なども見直して欠点を1つずつ解消していくことになります。

結局のところ確実に効果が見られるのはリフォームで、高性能な断熱材を壁や床の中に入れたり、隙間を埋めて熱移動を減らすのが最適解です。
このように、本格的に住宅の省エネを考えるとコストが掛かりますし、新築の際に盛り込むかリフォームのチャンスを活かす他ないわけです。

断熱材を壁や床の室内側に敷き詰めて、少しでも熱移動を抑える

簡易的にでも対策したいのであれば、断熱材を壁や床の室内側に敷き詰めて、少しでも熱移動を抑えるのが無難でしょう。
室内側に断熱材を設置する分、空間は少し狭くなってしまいますが、その代わりに冬は暖かさが増すはずです。
夏も冬の暖房同様に冷房効率は上がるはずですが、窓も対策しないと意味がないので注意です。
窓の断熱は埋めてしまうのが一番ですが、部屋が暗くなったり開けられなくなるのがネックです。
ですから、窓を埋めるか開閉する仕組みを設けた断熱を考える必要が出てきます。
建築資材の断熱材は思いの外単価が手頃なので、実は空気を含む緩衝材で小手先の対策をするのと比べてあまりコストは変わらないにも関わらず、遥かに効果が実感できます。
DIYで作業をすることになりますが、予め寸法を測っておいてホームセンターで断熱材をカットしてもらえば、カットする手間が省けて作業が捗ります。

省エネ基準は日本の新しい性能の基準

新築で住宅を購入したり省エネを考えた家を造る場合は、高気密高断熱性に拘った設計で、基準に合致する家を選んだり設計することが大事です。
省エネ基準は日本の新しい性能の基準で、断熱性を始めとした住宅の性能が分かる目安となります。
実は地域ごとに基準値が設けられており、設備ごとに消費エネルギー量が評価される仕組みとなっています。
特に性能が高い家はZEHと呼ばれ、一次エネルギー消費量は20%以上も削減可能です。

ZEH性能を達成する家には補助金が出る

ZEH性能を達成する家には補助金が出ますから、それだけ高性能で環境負荷が減らせることも意味します。 国が補助金を出すのも頷けますし、室内外の熱移動や温度変化が少ないわけですから、年間を通して1年中快適に暮らせることになるでしょう。
ZEHともなると、急な温度変化で心臓の負担が高まる、いわゆるヒートショックが避けられます。
高齢者にも安心の住宅ですから、快適に暮らせるだけでなく健康面においてもメリットがあります。
確かに窓まわりも断熱材も換気扇も性能重視なので、コストが掛かる分だけ価格が上がります。
ただ、長い目で見れば冷暖房費の節約や環境負荷の抑制、ひいては医療費の削減にも繋がります。

省エネは快適性や健康的な居住空間の実現、環境負荷や災害対策になる

太陽光発電も合わせて導入を行えば、家庭で使う電気の大部分を賄うことができたり、災害時などの停電の際にも電気が使えるようになります。
何かとお得になる補助金が使えますから、コストは掛かるにしても相応のメリットが得られます。
省エネは光熱費の節約に加えて、快適性や健康的な居住空間の実現、環境負荷や災害対策にもなりますから、メリット豊富で見逃すことはできないといえます。
勿論、設備のコストが高いので買い替えの際にもコストは掛かりますし、性能重視なのでデザインに制限が生じることがあります。
希望の間取りに制約が掛かることもありますが、その点は工夫で解決できる場合も少なくないです。

まとめ

家の購入や設計では、耐震性や耐久性なども考えなくてはいけないので、総合的に高度な知識や技術力が必要となります。
設計面でもコストが嵩みますから、予算が限られていると性能の追求は難しいですが、技術革新により少しずつコストは減少しています。
家は一生の買い物と考え長く住み続ける人が多いですから、将来的に後悔しないように性能重視で購入することが肝心です。
デザインや機能性も大事ですが、性能を左右する基本的な部分は後から手を加えると余計にコストが掛かることがあるので、最初に重視して選ぶことが結果的に節約になります。